自己破産と生命保険

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自己破産したら加入している生命保険はどうなる?

自己破産をした場合には20万円以上の財産が没収されることになります。
そのため住宅や買って間もない車、土地といった高額財産のおおよそは没収されることになるわけですが、ここでよく疑問とされるのが生命保険です。
生命保険というのは住宅や車のようにわかりやすい財産ではありませんが、しかし時に「生命保険も財産である」とされることがありますから、そのために解約をしなくてはならないと言われることが少なくありません。
ではこれについては事実なのかというと、残念ではありますがそうなる可能性はあります。
この疑問を解決するために、まずどうして生命保険が財産と言われるようになっているのかについて考えてみましょう。
そもそも保険というのはトラブルなどに備えて加入しておくものであり、生命保険の場合は保険加入者が死亡した場合、遺族に対して現金が支払われるようになっています。
しかし通常の生命保険の場合、保有しているだけで毎月お金がもらえるというものではありません。
むしろ毎月お金を支払うものなのですから、財産ではないようにも見えるでしょう。
では毎月自分がお金を払っているのになぜ財産扱いになるのかというところが疑問になるでしょうが、これについては「解約返戻金」の存在がポイントになります。
解約返戻金というのは生命保険を中途解約した場合に保険会社から支払われるお金のことであり、生命保険は途中解約をすることでこれまで支払ってきた保険料を返してもらえるのが普通です。
この返戻金がどれくらい返ってくるかというのは「返戻率」という数値で表されるのですが、例えば自己破産を申し立てるまでに生命保険に対して支払った金額が100万円で、返戻率が60%だったとすると、そこで返ってくる金額は100万円×60%で60万円となります。
もちろんこれはまだ貰っているわけではありませんし、貰うには保険を解約しなくてはなりません。
しかし実体として見ると「解約をすれば60万円になる権利を有している」となるわけですから、もし自己破産の際にこの生命保険の存在が判明したのであれば、それは財産とみなされて解約し、その解約返戻金を返済に充当することになるわけです。
ちなみに掛け捨て型の生命保険の場合は解約返戻金がほとんど発生しないことの方が多いため、掛け捨て型の場合は特に気にする必要はなく、積立型の場合に重要な問題になるとして覚えておきましょう。
さて、しかしこのことから「自己破産をすると生命保険を解約することになる」と結論を出して良いのかと言われると違います。
確かに解約返戻金が20万円以上あるのならば解約をすることになるのですが、現在の生命保険の大半は解約返戻金を担保とした借入が可能です。

これは担保貸付と呼ばれている制度ですが、例えば先ほどの解約返戻金が60万円になる生命保険を有している場合だと、担保貸付を利用して解約返戻金が20万円以下になるまで借り入れをしてしまえば良いわけです。
破産を申し立てる前に担保貸付を利用して解約返戻金が20万円以下になれば、結果として自己破産の際、その生命保険は20万円の価値が無い財産として扱われますから解約の必要が無くなります。
よって、もし破産の際に生命保険を解約したくないということであれば、破産を申し立てるより前に担保貸付を利用して解約返戻金の額を減らしておくのが有効な対策と言えます。
しかしこれについては注意をしなくてはならないこともあり、特に注意が必要なのが「破産を見据えて財産を意図的に減らした場合は破産が認められない」ということです。
これは免責不許可事由と呼ばれることで、破産法によって定義されています。
破産手続きの際に生命保険を失うのが嫌だから解約返戻金を減らしたということが明らかになった場合、これを理由として破産そのものが認められなくなるリスクがあるのです。
ただし破産前に担保貸付を利用したことに確かな理由があるのならば別ですから、もしこうした方法で対応するのであれば、担保貸付を利用して得たお金を弁護士などの専門家への報酬に充当するか、生活費として使うようにしてください。
このように利用したのであれば、担保貸付の利用も必要な資金を確保するためにやむを得ないことだったと判断できます。
ちなみにここまでで説明してきた担保貸付の利用による解約返戻金の削減という方法は、生命保険を解約しないようにする方法の一つでしかありません。
別の方法としては「介入権」と呼ばれる保険法の権利を利用することもできます。
この介入権を行使すると、生命保険の解約によって得られる解約返戻金を、本人以外の親族が代わりに負担することが可能です。
そうなれば結局生命保険を解約しなくとも、生命保険に相当する額が用意されたことになりますから生命保険の解約をしなくて済みます。
ただ現実的に、自己破産をする状況にある人だと頼れる親族が既にいないことも多いため、基本となるのは解約返戻金を削減する方法です。
しかしもし頼れる親族がいる場合には非常に有効な方法となりますから、破産申し立ての前に一度確認してみてください。

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